平成28年5月15日税理士界(税理士職業賠償責任保険の事故例-消費税)

<事例1 消費税>
免税事業者を選択できる状況だったが、設備投資の還付を目的として還付申告書を提出したものの過去に簡易課税選択届出書が提出されていることを失念し、簡易課税制度による修正申告書を提出して過大納付となった事例

<事例2 消費税>
外国法人が日本支店を設置したことをもって新設法人に該当すると誤認し、資本金の円換算額が1千万円以上であったので課税事業者と判断したが、実は外国法人は6年前に設立されており基準期間が存在したので免税事業者であったの還付不能額が発生した事例>

<事例3 消費税>
設備投資による消費税の還付が受けられるにもかかわらず、簡易課税選択不適用届出書の提出を失念し、過大納付額が発生した事例>

<事例4 消費税>
年末に12月決算法人の課税事業者選択届出書をe-taxにて提出を試みたものの、停止中であったことから年明けの1月5日に提出したために、無効とされ還付不能額が発生した事例>

<事例5 消費税>
個別対応方式が有利であったにもかかわらず、不利な一括比例配分方式を選択しつづけ、過大納付額発生した事例>

事例1.3.4は届出書絡みの事例。消費税は届出書・申請書で計算方式が決定される税金なので、消費税管理表を作ってしっかり管理しなければなりません。事例1や事例3のように原則課税が続いていると、簡易課税制度選択届出書が提出されていたことをすっかり失念していることも(あってはならないですが)。私も以前、原則課税か続いており、当期も原則課税と思い込んでいたところ、一時の経営不振で簡易課税制度が適用される課税期間ということを申告期限ギリギリで気づいたことがありました。結果として簡易課税のほうが有利でしたので事なきを得ましたが、ひやりとしたものです。
事例4は、特に条文の文言上、国税通則法の期限の特例は適用されません。法律の不備ではないかと思うのですが、もっと実務に即した法律になってくれることを望んでおります。e-taxが停止してい状況であれば、税務署の窓口も開いておりません。従って郵便局に持ち込む必要があります(国税通則法22条により消印日に提出されたものみなされます)。本局等であれば大晦日も空いているはずです。私も過去に提出期限当日の夜に本局に持ち込んだ経験がございます。
事例2は、外国法人のケースですが、外国法人に関与する税理士も多くないところ、注意したいところです。
事例5は、単に税理士の怠慢でしょう。。個別対応と一括比例の選択は、一括比例の2年縛りを考慮した有利判定は必須です。

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です